ブランド名より
オンライン・レビューが重視される

 ジョニー・シー(施崇棠)が、自社ブランド〈ASUS(エイスース)〉の名前でラップトップPCを開発・販売するよう製造委託会社に依頼するつもりだと告げた時、社内のほとんどの人間は「狂気の沙汰だ」と思っていた。

 華碩電脳(エイスーステック・コンピュータ)は1989年に台湾で設立され、シーは現在、その会長を務めている。同社は他企業のコンピュータやゲーム機を製造して成功を収めていた。しかし、その社名は消費者にほとんど知られていなかったため、デルやヒューレット・パッカードといった企業と張り合えるなどと、だれも思っていなかった。

 しかし、シーがそんな懐疑的な声に耳を貸すことはなかった。2007年、〈ASUS〉ブランドの〈EeePC〉シリーズは好評を博して、ヒット商品となる。2012年までに〈ASUS〉は世界第5位のPCブランドとなり、2013年前半には、同社のタブレットPCは世界第3位の売上げを誇っていた。