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「モノ」の本質が変化し始めている
情報技術(IT)は製品に革命的変化を及ぼしている。製品といえば、かつては機械部品や電気部品だけで構成されていたが、最近ではハードウェア、センサー、データ・ストレージ、マイクロプロセッサー、ソフトウェア、接続部品を数え切れないほどのやり方で組み合わせた、複雑な代物になっている。これら「接続機能を持つスマート製品」(smart, connected products)は、処理能力の向上や機器の小型化の目覚ましい進展、ワイヤレス接続の普及というネットワーク化の恩恵によって実現し、競争の新時代の幕開けをもたらした。
接続機能を持つスマート製品を活用すると、新たな機能性、信頼性や稼働率の格段の向上、製品間の従来の垣根を超えたケイパビリティなどが実現する機会が、右肩上がりで増えていく。製品の本質が変容するのに伴い、バリューチェーンも飛躍的な変化を遂げつつあるため、企業は社内の活動ほぼすべてを再考、刷新する必要に迫られている。
これらかつてないタイプの製品は業界構造と競争のあり方を変容させ、企業を競争上の新たな機会と脅威にさらす。また、業界地図を塗り替え、まったく新しい産業を生み出す。接続機能を持つスマート製品は、多くの企業に、「自社の事業は何だろうか」という根本的な問いを突きつけるだろう。