製品開発プロセスを2段階に分ける

 新製品開発は、多くの場合、単一プロセスと見なされているが、以下のように2段階に分けて考えたほうが理にかなっている場合がある。

(1)事実を追求する初期段階

 この段階では、画期的な新製品の可能性を評価し、投資に値しない案件を排除する。

(2)成功を追求する後期段階

 この段階では、開発が決定された案件の製品の価値を最大化することに注力する。

 イーライリリーは、この2段階アプローチの効果に気づき、2001年、コーラスを実験的に立ち上げた。同部門は、新薬開発の初期段階に特化した独立組織である。

 同部門の仕事は、さまざまな分子──そのほとんどが失敗する運命にある──のポートフォリオから、成功率が高そうな分子を探すことにある。コーラスが推奨する最も有望な新薬候補分子だけが、多額の開発コストを要する後期段階へと進んでいく。