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【HBR CASE STUDY】
[コメンテーター]
ピエール・カッセ(Pierre Casse)IAEエクサン・プロバンス 教授
スティーブ・ニベン(Steve Niven)元セントラル・アトランティック・トヨタ・ディストリビューターズ 人事担当バイス・プレジデント
キャロリン・ブルガー(Carolyn Boulger)ノートルダム大学 準教授
ライル H. ミラー(Lyle H. Miller)ストレス・ディレクションズ 創業者
[ケース・ライター]
ローレンス R. ロスステイン(Lawrence R. Rothstein)ラン・アソシエーツ 社長
*HBRケース・スタディは、マネジメントにおけるジレンマを提示し、専門家たちによる具体的な解決策を紹介します。ストーリーはフィクションであり、登場する人物や企業の名称は架空のものです。経営者になったつもりで、読み進んでみてください。
デザイン・マネジャー、ケンの乱心
「至急こちらに来ていただけませんか、サリンジャーさん。ケン・ボーンの様子がおいしいんですよ。コンピュータをぶち壊したり、部屋をめちゃめちゃに散らかしたり、まるでバイソンでも暴れ回ったかのようです」
タイドウォーターは高級大型モーターボートのメーカーである。そこのCEOを務めるボブ・サリンジャーは、ケンが荒らした状況を見ながら、組織改革責任者のモリス・レッドストーンが伝えてきた言葉が頭のなかで鳴り響いた。
たしかにモリスの言ったとおりだった。ケンはCAD/CAM(コンピュータによる設計・製造支援)のモニターに椅子を投げつけ、机を引っくり返し、本棚のものをすべて床にぶちまけたのだった。「今回はおそらく、何かよほど頭に来ることがあったに違いない」と、ボブはため息をついた。