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製品からユーザー体験、戦略、
思考法まで広がるデザイン
歴史上、デザインというのはほぼ例外なく、物質的なモノを対象とした作業であった。レイモンド・ローウィは機関車を、フランク・ロイド・ライトは建物を、チャールズ・イームズは家具を、ココ・シャネルは高級婦人服を、ポール・ランドはロゴをデザインした。デイビッド・ケリーがデザインしたのは、アップル製コンピュータのマウス(これが最も有名)などの工業製品だ。
しかし、多くの商品の成功要因の一つが優れたデザインであることが明らかになるにつれ、企業はより多くの面でデザインを採り入れ始めた。ハードウェア(たとえばスマートフォンの形状やボタンなどの配置)のためにデザイナーを雇っていたハイテク企業は、ソフトウェアの使い勝手に関しても、見た目や全般的な操作性をデザイナーに設計させるようになった。
次にデザイナーに求めたのは、ユーザー体験の向上にも貢献することだった。じきに企業は、企業戦略の策定さえもデザインの応用問題だと見なすようになった。さらにいまでは、多種多様な利害関係者と組織が絡むシステムをスムーズに動かすためにデザインが利用されることさえある。