組織はビジネス目標のみに邁進しているうちに、意図せず悪い状況に向かいかねない。リーダーがチームの心身の健康を高めるにはどうすべきか。グーグルで従業員の幸福と健康を推進してきた経験を持つ筆者が、6つの方法論を示す。
あなたはマネジャーとして、自分自身のストレスに対処するだけでも大変かもしれない。だがそれとは別に、部下についてはどうだろうか。率いるチームのメンバーがストレスや燃え尽き、意欲低下に対処できるよう、いかに支援できるだろうか。
仕事の過酷さと複雑さは高まる一方であり、いまでは多くの人が「四六時中・年中無休」状態の環境で働いている。そのため、不安や燃え尽きは珍しくない。負荷の高い今日の職場では、生産性と意欲を維持することは簡単ではない。
仕事のペースや厳しさは、今後もしばらく変わらないと思われる。しかし最近の諸研究では、ある種の能力開発の取り組みによって、再起力(レジリエンス:困難から立ち直る力)を効果的に強化できることを示す結果が増えつつある。
その1つに、従業員の人間的な成長と能力開発に焦点を当てるアプローチがある。たとえば、私がグーグルで幹部育成担当ディレクターを務めていた時に注力したのは、マネジャーがチームの人々を「地球上で最も幸福で、最も健康で、最も生産的な従業員」にできるよう後押しすることだった。この観点から従業員の自己開発に投資することは、創造性を解き放ち、潜在能力を開花させ、生産性を持続させるための第一歩となる。
マネジャーとチームメンバーにとって幸いなことに、自己開発の取り組みとして非常に実践的かつ実行が容易なアプローチがいくつかある。しかもそれらは、時間、費用、その他のリソースをさほど必要としない。チームの再起力と有効性を高めるために、私がマネジャーたちと協働してきた20年の経験に基づき、検討に値するいくつかの方法を以下に紹介しよう。