経営者の仕事のほとんどは、「考えること」と言っても過言ではない。その一方で、常に多忙で、時間に追われる。そんな経営者は、考える時間をいかに確保しているのか。今回のゲストは、ネスレ日本の高岡浩三氏。自然体で、考えるための特別なことは何もしないと言う。(構成/新田匡央、写真/鈴木愛子)

あえて考える時間を確保しなくても、
考える時間は日常に転がっている

編集長・岩佐(以下色文字):経営者は考えることに時間を費やさなければならないのに、忙しさのあまり、なかなか1人になる時間がありません。そんな状況のなかで、どのように考える時間を確保されているのか。それがこの連載のテーマです。

高岡(以下略):なるほど。でも、私は1人でいる時間をわざわざ作ろうとはしていないですね。クルマや飛行機での移動時間などは基本的に1人なので、考える時間がなくて困ったという思いをしたことは、これまで1度もありません。