では、どうすれば古びたビジネスモデルを進化させ、収益成長率と利益率が高くコストが低いモデルへと変えられるのか。

 まずは自分自身の思考モデルを変えることが、ビジネスモデルを変える前提条件である。我々は、従来型の企業がデジタル時代で巻き返しに成功する事例を目にしてきた。そこには、何十年も続くレガシー事業を持つ、資本集約的なビジネスモデルの企業も含まれる。

 しかしそれを実行するには、経営陣も組織も、みずからの核としてきた概念を根本から変えねばならない。以下はそのプロセスの例である。

1.その中核概念が事業にどう反映されているかを把握する。自社の基本原則、時間と資本の配分の傾向、主要な測定指標について検証してみよう。資産形成型の企業(形のある資産を扱う企業)の場合、これらの大部分は「効率的な生産」と「物的資産の管理」を軸に発展していることだろう。

2.それらの行動を喚起している中核概念を、改めて明らかにする。このステップは通常、継続的な自省を伴うが、業界のベストプラクティスが思考に影響を及ぼしやすい。自省の対象として、資産、価値創出、ビジネスモデルに関する信念に焦点を当てよう。それはたとえば、「物的資産は長持ちし信頼できるが、人的資産は不安定でリスクが高い」などかもしれない。

3.中核概念を逆転させ、それによって生じる結果を検討してみる。上述の例であれば、「物的資産は、実際には他の種類の資産よりもリスクが高い」という考え方ができるかもしれない。自分がある程度信憑性を感じられる逆説――実はこれが真実なのでは、と思えるものを見つけよう。そして、その新たな概念が自身の行動をどう変えうるかを考えてみよう。

4.新たな中核概念が、戦略、資本配分、主要な測定指標にどう影響をもたらすかを推定する。業界内の他社がその思考を取り入れているか、それらが破壊的変化につながっていないかを検証しよう。さらに、新たな概念が自社の顧客、従業員、サプライヤー、投資家に対して持つ意味合いも考えてみよう。

5.新たな概念をみずからの行動に反映させ、組織内の人々と共有する。新しい習慣が形成されるまで、行動を意識的に変え続けよう。資本配分においては特にそれを留意しながら、他の面(採用、教育、KPI〈重要業績評価指標〉など)にも広く反映させる。