プラットフォームで多くの収入源を持てる

 マイクロソフトのアウトルックは、何年も前からグーグルのGメールや、iPhoneなどの携帯端末に搭載されたメールアプリに押されて形勢不利な状況にあった。しかし同社は目下、アウトルックに新しい生命を吹き込もうとしている。単なるメールソフトから、ウーバー、イェルプ、エバーノートなどのサードパーティが提供する多数のサービスとユーザーとを結び付けるプラットフォームへの移行を試みているのだ。

 製品からプラットフォームへの転換がうまくいくかどうかは、極めて重要な課題である。これはマイクロソフトに限った問題ではない。製品やサービスを軸に成長してきた企業の多くが、プラットフォームへの移行を目指そうとしている。

 製品からプラットフォームへという動きに惹かれる気持ちはよくわかる。製品から生じる収入源は一つだけだが、プラットフォームは多くの収入源をもたらす可能性があるからだ(本稿ではプラットフォームの定義を、2つ以上のユーザーグループを結び付けて直接のインタラクションを可能にする媒体とする)。実際、2015年の時価総額で最も価値が高いとされたグローバル企業は、上位10社のうち5社(アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾンドットコム、フェイスブック)を含め、多くがプラットフォーム主体の企業だった。最初からプラットフォームを売り物にしていた企業も中には見られるが、ほとんどの企業は製品からスタートしている。