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アフリカは有望な市場なのか
世界中のビジネスリーダーや投資家が、「アフリカを発展させる」という約束の実現を何年も前から待ちわびている。21世紀に入ってから、アフリカ大陸への投資や関心は高まってきた。それもそのはずである。アフリカは平均年齢が若く都市への人口流入が進み、天然資源に恵まれているほか、中間層が拡大するなど、急成長に必要な条件をすべて満たしているように思われるからだ。
その成長の勢いは、一昔前の東アジアの「4頭の虎」、すなわち韓国、台湾、香港、シンガポールさえもしのぐかもしれない。事実、マッキンゼー・グローバル・インスティテュートは2010年に発表した"Lion on the Move"(躍動するライオン〈アフリカ〉/未訳)という報告書において、両者を対比したうえで、2008年から2020年にかけてアフリカ大陸の消費支出は40%伸び、GDPの増大は1兆ドルに達すると予測した。
ところが、この興味深い展望はいっこうに実現せず、最近では大企業の撤退が相次いでいる。それら企業のリーダーたちは、汚職や腐敗の蔓延、インフラや即戦力となる人材の不足、消費市場の発展の遅れなど、投資家予備軍を長年にわたって悩ませてきたのと同じ困難に直面して、意欲を失ったのだ。