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大きな影響を及ぼしつつあるAR
我々が入手できる膨大なデジタルデータと、その応用先である物理世界との間には、根本的な隔たりがある。現実世界が三次元であるのに対して、判断や行動の参考にする膨大なデータは依然として、二次元のページや画面にくくり付けられている。現実世界とデジタル世界のこの隔たりのせいで、世界に数十億個もある接続機能を持つスマート製品(SCP: Smart Connected Product)が続々と生み出す情報や知見を、十分に活用できずにいるのだ。
拡張現実(AR: Augmented Reality)、すなわちデジタルのデータやイメージを物理世界に重ね合わせる技術群は、この隔たりを縮めて、いまだ開拓されていない人間ならではの能力を、確実に引き出すだろう。ARは依然として揺籃期にあるが、主流技術の仲間入りを、いまかいまかとうかがっている。ある推計によれば、AR技術への支出は2020年には600億ドルに達する。ARはあらゆる業界の企業および大学や社会的企業など多様な組織に、影響を及ぼすだろう。
また今後、我々の学習、意思決定、物理世界との相互作用を変革すると考えられる。合わせて、企業の顧客サービス、従業員研修、製品の設計や製造、バリューチェーンの管理、そして最終的には競争状況まで変えるだろう。