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技術と戦略との関係
技術上の諸問題を戦略的意思決定の枠内でとらえるべきだとの認識が、経営者の間に広まってきたのは、ここ10年ほどのことだ。経営者たちは、技術と戦略が切り離せないことに次第に気づくようになってきたのである。というのも、技術には、企業が戦略計画(自社が行おうとしている事業コンセプトを固め、事業目的と到達目標を定め、それを達成するための長期方針を確認し、行動計画を策定するプロセス)を策定する際には、どうしても考慮しておかなければならない内なる論理があるからだ。
技術(テクノロジー)という言葉は、単にナットやボルトを意味するのではなく、企業が自社の創造力を財やサービスへと具現化して最終的に成功をつかむための、計画と生産に関する精緻な体系をも意味している。筆者が本稿の参考文献として掲げた30以上の書籍や論文は、技術上の判断を企業戦略全体の中でとらえるべきだとの認識が、経営者の間に広がっているという事実を物語っている。
戦略との関連は
あまり問題にされてこなかった
ドナルド R. ショーエンが技術と組織構造の関係、技術予測の手段、技術革新的な工程プロセスの特徴といった、互いに密接に関連するテーマについて非常に優れた論考をHBRの読者向けにまとめたのは、10年ほど前のことである。