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私たちの時代の汎用技術は何か
これまで250年以上にわたり、経済成長をもたらす基本的な原動力は、常に技術面のイノベーションだった。なかでも最も重要なのは経済学者が「汎用技術」と呼ぶ分野で、具体的には蒸気エンジンや電気、内燃機関などだ。そのいずれもが続々と補完的イノベーションを生み出す触媒としても作用し、多くのビジネスチャンスをもたらした。
たとえば内燃機関は自動車、トラック、飛行機、電動のこぎり、電動芝刈り機を生み出し、同時に大規模小売店やショッピングセンター、クロスドッキング倉庫、新しいサプライチェーン、さらにはよく考えてみれば「郊外」そのものも生み出している。内燃機関という技術を利用して収益性の高い新しいビジネスモデルを考え出した企業は、ウォルマート・ストアーズからUPS、ウーバーに至るまで非常にバラエティに富んでいる。
さて、私たちの時代で最も重要な汎用技術は何か──。それは「人工知能」(AI)であり、とりわけ「機械学習」である。機械学習とは、なすべき作業について人間から細かい指示を受けなくても、機械がみずからその作業の処理能力を高め続けていける能力のことだ。機械学習は、ほんのここ数年間でそれまでよりはるかに効果的になり、また簡単に利用できるようになった。いまでは、タスクの処理方法を自分で学んで身につけるシステムまで構築できる。