過去20年間、IT業界では、AT&T、コダック、ポラロイド、ゼロックスなど、先進的といわれた企業が有望な技術の将来性を見誤った。なぜか。製品ポートフォリオを、「短期」「育成期」「長期」という3つの「タイム・ホライゾン」に分けてみると、その敗因が見えてくる。すなわち、既存事業の短期的動向と長期投資には注意しているが、「金のなる木」になるかもしれない育成期にあるプロジェクトには冷たい。シスコシステムズは、この罠を回避する施策を連続的に講じた結果、新規事業を次々と成功させ、再び成長軌道に乗ることができた。