個性派集団を率いるために
プロデューサーは何をすべきか
私は大学を卒業した1996年、カプコンに入社後、ゲームセンターなどに置かれているアーケードゲームの開発を担当していた。その後、時代の変化に合わせてコンシューマーゲームに軸足を移すという全社的な方針が打ち出され、その中でも将来性の高いネットワークゲームに力を入れることが決まると、2000年頃、3タイトルの開発チームが同時に立ち上がった。その中の一つが、『モンスターハンター』(『モンハン』)である。
私は当時、別の作品のメインプランナーを担当していたが、その完成を見届けてから『モンハン』開発チームにアシスタントプロデューサーとして合流した。そして『モンスターハンターポータブル 2nd』(2007年発売)から『モンハン』シリーズのプロデューサーを務めている。
プロデューサーの業務内容は会社や人によっても異なるだろうが、私の場合、ゲーム開発の現場監督であるディレクターなどと議論を重ねながら、作品のコンセプトや方向性を決めることが最も重要であると思っている。私はディレクターの判断を尊重し、現場の作業にできるだけ口を出さないようにしている。指示系統を一本化して混乱を避けるために、現場の作業に直接言及することはほぼなく、ディレクターを介している。プロデューサーは制作以外の仕事も担い、たとえばプロモーションや宣伝にも関わる。他社との共催イベントや関連グッズの監修など、細部に目を配るのも大事な役割だ。