●不在の理由を共有する
相手と次に会ったときに会話のきっかけとなるような、意味のある情報を共有してみよう。
会社をひととき離れる理由は何か。カンファレンスに出席するのなら、何を学ぶつもりで、それがクライアントにとってどんなメリットになるのか。休暇でどこへ出かけるのか、そこでどんなことをするのをひそかな楽しみにしているのか。
オフィスを留守にする意義を伝えるメッセージの例を2つ紹介しよう(1番目の例は私の夫、ショーン・エイカーが実際に使ったメッセージである)。
「こんにちは。私は妻と結婚5周年を祝いつつ、4歳および4ヵ月の2人の子どもたちと夏の休暇を楽しむ予定です。記念すべき休暇のため、[日付]までの間、メールはチェックしません。急ぎの用件がある場合は、私の優秀なアシスタント、ジェニー[メールアドレス]にご連絡ください」
「こんにちは。今週、同僚のヘルスケア担当マネジャーといっしょにアトランタでカンファレンスに参加します。そこで、クライアントに大きなメリットをもたらすようなツールを入手できそうです。その間、メールはあまりチェックできません。来週月曜には戻りますが、その前に急ぎの用件がある場合は、[同僚の名前]にご連絡ください」
こういった情報は会話のきっかけとして大いに役立つ。職場の同僚たちはカンファレンスや休暇について尋ねてくるだろうし、あなたのことを単なる仕事仲間ではなく、バランスの取れた人間として見てくれるようになる。
●リソースを紹介する
相手が興味を持ちそうなリソースを紹介する、という方法もある。あなたに最も頻繁にメールを送ってくるのはどんな人々かを考えて、適切なリソースを選ぼう。
「こんにちは! いい夏をお過ごしのことでしょう。さて、毎年恒例の夏の休暇を取る時期になりました。[日付]に戻りますので、そのとき、お送りいただいたメールに返信するのを楽しみにしています。
それまでの間、当社のCRMシステムを上手に使いこなす方法を紹介した記事をシェアしたいと思います。紹介されている方法のどれか1つを使っただけで、何時間も節約できるかもしれませんよ。
急ぎのご用件がある場合は……」
筆者は昨年の夏、次のメッセージを初めて使ってみたところ、驚くほどポジティブな反応が返ってきた。「私も使わせてもらおうっと!」と、大半の人が言ってきたのだ。
「こんにちは! 私たちの最新の研究で、休暇が脳によいこと、仕事のパフォーマンスを高めてくれることがわかりました。これにはさらなる研究が必要です! さて、[日付]までオフィスを留守にします。それまでは電子メールをあまりチェックできません。急ぎのご用件は、[同僚の名前]にご連絡ください。
楽しい夏を!
ミシェル」
●メッセージをカスタマイズする
メールのアプリによっては、社内の人宛てと社外の人宛てでそれぞれ別の不在通知メッセージを用意できる場合がある。たとえばGmailは、自分の「連絡先」に登録されている人だけに自動応答メッセージを送り、それ以外の人のメッセージには返信しないように設定することができる。シンプルな機能だが、これを使えば、さらに柔軟な対応が可能だ。たとえば、社内の人へのメッセージは、社外の人へのメッセージと比べて、より個人的な情報を伝えることができる。例を挙げよう。
社外の人へのメッセージ例:
「私たち夫婦に2人目の子どもが生まれました。そこで、[日付]まで出産休暇をいただきます。私が不在の間、お急ぎのご用件は[同僚の名前]までお申し付けください。職場に復帰した際は、再び一緒にお仕事させていただくことを楽しみにしています」
社内の人へのメッセージ例:
「[日付]に小さなルーシー・ベルがこの世にやってきました。マークと私は最高にハッピーです! そこで、[日付]まで産休をいただきます。私が不在の間、マーケティングに関する用件はシェリ・パークスに、PRに関する依頼はエミリー・スミスにご連絡ください。赤ちゃんのルーシーとお兄ちゃんのクーパーの写真を添付します。職場に戻ってみんなと一緒にお祝いするのを楽しみにしています!」
筆者はほとんどの場合、記事に書くアイデアを実生活で試す。
今年の夏は、先に引用した夫のメッセージを拝借して自分用に書き直して使ったところ、極めてポジティブな反応を得ることができた。夏の過ごし方や結婚生活、子どもたちがまだ幼いうちに、仕事に気を取られることなく素敵な時間をともに過ごせたことについて、知り合いやクライアントと充実した会話を交わすことができた。
これらは、新しい改良型の不在通知メッセージのおかげだ。休暇で家族の絆を深める待望の機会が得られただけでなく、仕事に戻ったときに周囲の人々とより深く結びつく機会も得られたのである。
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ミシェル・ギラン(Michelle Gielan)
全米ネットワークCBSのニュースキャスターから、ペンシルバニア大学ポジティブ心理学リサーチャーに転身後、『悪い知らせをうまく伝えるには?』でベストセラー作家に。現在、オンライン・ニュースサイト「ハフィントンポスト」の創立者アリアナ・ハフィントンとともに、人を変える力のあるポジティブなストーリーが成功へのエネルギーになるというリサーチに取り組んでいる。