デファクト・スタンダードという言葉は、一九九〇年代から人口に膾炙するようになったが、いまだ誤用や曲解が見られる。このような間違いは戦略プランニングをミスリードさせかねない。なぜなら、一般的な消費財の競争と規格競争は性質が異なり、必然的に戦略や戦術も異ならざるをえないからである。さらには「デファクト・スタンダードを一度獲得すれば、大きな利益にあずかれ、当面安泰である」といった誤解も根強い。しかし、いまや状況はまったく変わっている。本稿ではデファクト・スタンダードの正しい定義を再提起すると共に、今後のデファクト競争の姿、そしてそこでの戦い方について解説する。