ポラロイドやボシュロムの例が教えるように、自社の歴史ともいえるコア事業が「突然死」してしまうことがある。九四年の「フォーチュン五〇〇」にランキングされた企業のうち、この一〇年の間で、コア事業の転換を強いられた企業は一三〇社に上る。とはいえ、これらがすべて必ずしも成功しているわけではない。コア事業の転換に成功した企業を見てみると、社内の「隠れた資産」、未活用の経営資源やケイパビリティを見出し、業界のプロフィット・プールを入念に分析しながら、既存のコア事業の周辺もしくは延長線上の、新たなコア事業を創造している。本稿では、アップル、IBM、デビアス・グループ、パーキンエルマーなどいくつかのベスト・プラクティスを紹介しながら、その方法論を解説する。