たとえば、ネットワーク接続。私はまったく機内Wi-Fiを利用しない。高くつくとか、遅い(たいていの場合はそうだ)からではなく、その時間をディープ・ワーク(本当に意味のある仕事に没頭すること)に使うためである。Macのメールアプリでメールをダウンロードし、ネットから離れている間に、難しい仕事に取り組むのだ。ソーシャルメディアに気を逸らされることがないので、驚くほど仕事がはかどる。

 さらに先を行く、賢い出張者もいる。最近、私のポッドキャストに出演した生産性の専門家ティアゴ・フォルテは、メキシコシティで数ヵ月間仕事をしたとき、現地のSIMカードを使わなかった。モバイル・インターネットなしでも何とかなったばかりか、非常に生産性が高まったので、来年永住するために移り住んでからも、このやり方を続けるつもりだという。

 集中の邪魔になる電話やテキストメッセージを排除することにより、フォルテはほとんどの出張者にないものを手に入れた。それは、規則的な休憩である。

 ハーバード・ビジネス・スクール教授のレスリー・パーロウと、女性のリーダーシップに関する専門家ジェシカ・ポーターが行った研究によると、休憩を計画的に組み込むことで、プロフェッショナルとしての能力向上、オープンなコミュニケーション、仕事の質の向上が促進されるという。フォルテはインターネットに接続する必要があるときは、メキシコシティの無数のカフェの1つに立ち寄ればよいだけだ。

 出張中に緊急の要件が生じたら、どうするか。オンラインで仕事を補助してくれるバーチャル・アシスタント(VA。訳注:機械ではなく、実在の人)に対処してもらえばよい。私はVAにメッセージを確認してもらい、緊急性の高いものは「アクション」のフォルダに移すよう頼んでいる。

 また、ガイドとしてもVAを頼りにしている。私はアップワークのようなフリーランスのプラットフォームで大学生を採用するよりも、出張先に住んでいるアシスタントを探す。たとえばフィリピンなら、求人サイトonlinejobs.phのような地元のオンラインの求人市場で探すことができる。

 アシスタント兼ガイドとなるとたしかに、出張先ごとに異なる人を雇わなくてはならない。だが率直に言って、メールの分類やホテル等の予約のような仕事には、たいした訓練はいらない。私にとって、VAに仕事の要領を教えるために2時間程度を余分に割くことは、事実上の旅行アドバイザーに払う代価と思えばささやかなものである。

 もしVAを雇う余裕がなければ、訪問先の相手の力を借りることを考えてみよう。前回、ルーマニアのクライアントを訪問した私は、彼のお気に入りのレストランや活動について質問した。こうした話題によって互いの緊張が大いにほぐれただけでなく、聞かなければ行けなかったような地元の穴場を訪れることができた。