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中年期の社員たちが抱える悩み
燃え尽きてしまった、もはや昇進の可能性は低い、いまの仕事に飽き飽きしている──。何百万人という中堅社員たちがこんな具合だ。
ビジネスマンの執務態度や職務経験を調査するなかで、我々がよく耳にするのが中堅社員たちの情緒不安定の話である。この現象は中年期にとりわけ顕著である。
たとえば、社長にはなれないと悟り始めた幹部社員、仕事のために自分の生活や魂までも犠牲にしてきたと感じている管理職、やりがいのない仕事にうんざりし切っているエンジニア等々──。なかでもとりわけ典型的なのが、活力にあふれ、周囲の尊敬を集める、ある40代後半の某ミドル・マネジャー氏の事例である。
彼は、仕事と家庭の板挟みになっていた。仕事では、2度にわたる組織のダウンサイジングですっかり士気を失っていた。社内はすでにフラット化されており、前にも増して昇進の可能性は低い。彼は行き詰まっていた。社内のカウンセラーにこんな言葉を漏らしていた。
「仕事も家庭も、こんなはずではありませんでした。いつまでこの状況に耐えられるのか、わかりません」
中年期は青年期に似て、欲求不満、混乱、疎外感を感じやすい時期でもある。しかし同時に自分を発見し、新しい方向性を見出し、新たな一歩を踏み出す時期にもなりうる。現在、男女を問わず、多くの中堅社員がこの中年期と格闘している。つまり、「自分の仕事に新しい意義を見出したい」と願いながら、また仕事上の責任、家族や余暇をうまくバランスさせる方法を模索しているのだ。
中堅社員とは、35~54歳までの社員たちを指しているが、現在アメリカの全就労人口の過半数を占める。また、4人に1人が管理者または監督者である。
2004年6月、アメリカの7700人を超える労働者を対象に、我々エージ・グループとコンコース・グループは、ハリス・インタラクティブとの合同調査を実施した。その結果によると、中年層は若年層や高齢層の労働者と比較して、勤務時間が長い。事実、これら中年層の30%が、週50時間以上を仕事に費やしていると回答している。
しかし、「仕事に情熱を感じている」のは43%にとどまり、「仕事への活力がみなぎっている」と答えたのは33%にすぎなかった。一方、36%が現在の仕事に行き詰まりを感じており、40%を超える人々が燃え尽きを感じていた。
これら中堅社員たちは、いまの職場が自分にふさわしく、働いていて楽しい、あるいは新しいことに挑戦するチャンスにあふれているとは言いそうにない。この層は全体として、すぐ上の上司への満足度が最も低く、経営陣への信頼感も最も薄い。