機械学習はなぜ、これほど急速な発展を遂げているのか。『機械との競争』や『セカンド・マシンエイジ』の著者として知られるエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィーは、データ、アルゴリズム、コンピュータハードウェアという、3つの進化がその要因であると指摘する。


 機械学習システムは1950年代から存在する。ではなぜ、いまになって突然、これほど多くの異なる分野で飛躍的発展を遂げているのだろうか。

 そこには3つの要因がある。膨大に増えたデータ、著しく向上したアルゴリズム、そして大幅に強化されたコンピュータハードウェアだ。過去20年の間に(どのアプリケーションかにもよるが)、データの利用可能性は最大1000倍、主要なアルゴリズムの能力は10~100倍、ハードの処理速度は少なくとも100倍向上した。

 マサチューセッツ工科大学のトマソ・ポッジオによれば、これらの進化が相まって、アプリケーションによっては最大100万倍もの向上が可能であるという。たとえば自律走行車で使われる、歩行者を検知するビジョンシステムなどがこれに該当する。

 各要因について、順番に考えてみよう。