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自分の仕事に意義を見出せると、仕事の創造性も生産性も上がる。だが、会社がどれだけ素晴らしいパーパスを掲げても、従業員にそれを腹落ちさせることは容易ではない。高尚なスピーチやミッションステートメントには効果がないどころか、反発を招きかねないと筆者は指摘する。本稿では、チームにパーパスを植えつけるうえで有効な3つのアプローチを示す。
誰しも、9時から17時まで働く単なるロボットにはなりたくはない。刺激を受け、意義を見出し、自分の仕事が周囲に与える影響を知りたいと思う。それができたとき、人はこれまでよりも熱心に仕事に打ち込み、創造性を発揮し、生産的になる。
このことは隠された秘密でも、新たな啓示でもない。常識だ。
リーダーにとって、従業員に目的意識(パーパス)を抱かせることは強力なツールになる。ではなぜ、従業員の心に火をつけるのに多くのリーダーが苦労しているのだろうか。
簡単に言ってしまえば、他人にパーパスを植えつけるのは、極めて難しい。モチベーションを高めるための講話や高尚なスピーチ、ミッションステートメントなどでは、目的意識を浸透させることはできない。それどころか、やりすぎたり誠意を欠いていたりすると裏目に出て、冷ややかな反応を引き出しかねない。
パーパスというと大仰に聞こえるかもしれないが、詰まるところ、自分が他人にどのような影響を与えているかを知り、なぜ自分の仕事を愛しているのかというストーリーが組み立てられればいい。このことを頭に入れて、個人的で、純粋で、持続性のあるアプローチをすれば、成功は見えたも同然である。