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現代のリーダーは、ビジネス環境が高速かつ複雑に変化する中、的確な意思決定を下さなければならない。それは単に、伝統的なリーダーシップスタイルからの脱却という話ではない。指示と傾聴、権力保持と権限委譲など、通常は「緊張関係」にあるスタイルの両立が求められているのだ。本稿では、すべてのリーダーが向き合うべき7つの関係を紹介し、二刀流を実践するポイントを示す。


 近年、指揮命令型の古いリーダーシップは時代遅れで、新しいリーダーシップの時代になったと主張されることが多い。具体的には、リーダーは、メンバーに指図するのではなく、意見を尋ね、計画に固執するのではなく、新しい情報に応じて目標を調整すべきだとされる。また、直感ではなく、データに基づいて意思決定すべきだと言われる。

 以下では、古いタイプのリーダーシップを「伝統型」と呼び、新しいタイプのものを「新興型」と呼ぶことにしよう。難しいのは、企業幹部が今日のビジネス環境で成功しようと思えば、両方のスタイルに熟達しなくてはならない場合がほとんどだということだ。