Arthur Debat/Getty Images

GAFA(グーグル、アマゾン・ドットコム、フェイスブック、アップル)はいま、世界中でビジネスを席巻している。かつては未来を創造する革新的な存在として評価されていたが、いまや自社の利益を追求して自由競争を排除する支配者のようにすら捉えられている。筆者はGAFAに対して、さらなる事業拡大を目指す戦略を語るよりも、未来の世代に希望をもたらす大胆な構想を示すことを期待する。


 7月29日、米国下院司法委員会は1年間にわたる反トラスト法調査のヤマ場を迎える。アップルのティム・クックCEO、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO、グーグルのサンダー・ピチャイCEO、アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾスCEOを迎えて公聴会が行われるのだ。

 CEOたちはこの場で、自社の市場独占力と不公正な取引慣行について厳しく問われるだろう。しかし、議員のせめて一人くらいは、これとは別の(しかしそれと密接に関連のある)問題を取り上げてほしいと思う。

 筆者は、これらの企業のリーダーたちに語ってほしいことがある。今後、(もし会社が解体を免れれば)自社がどのような企業になりうるかというビジョンを聞きたい。そして、米国民がこれらの企業の命運に何らかの形で関心を示すべき理由を語ってほしい。

 ここで私が言う「ビジョン」とは、会社の「ビジョンの声明」の類いのことではない。業界で「最高」や「最大」や「最も革新的」といったことを目指すという、ありきたりの約束を聞きたいわけではないのだ。

 このような企業は、莫大な資金をつぎ込んで広告やPR、ロビー活動を展開している。巨大テクノロジー企業がどのようなメッセージなり感覚なりを伝えたいと思っているかは、よくわかっている。

 私が知りたいのは、これらの企業が本当に考えていることだ。自社が人々の暮らしをどのように改善できると思っているのか。それをできるだけ具体的に語ってほしい。未来が最良の結果になった場合、人々はどのような点で、これらの企業が存在していてよかったと思うことになるのか。