オフィスは生産性を上げる場ではなく
問題解決と学習の場に変化
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オフィスは変わりつつある。だが、その変化の多くがいまに始まったものとは限らないし、すべてが根付くわけでもない──。ワークスペースの進化に関する研究の第一人者、ジェニファー・マグノルフィ・アスティルはそう指摘する。
一方で、次第に明らかになっていることもある。パンデミックで自然な進化に拍車がかかり、オフィスは生産性を上げる場から、複雑な問題の解決や、学習が同時進行で起きる場へと、急ピッチで変化しているのだ。
そこで、いま起きている現象をケーブルテレビになぞらえてみよう。「ケーブルテレビがいくつものチャンネルを束ねて販売しているのと同じで、オフィスもスペースの複数用途を一まとめにしていると考えられます。だとすれば、変化しているのはその中身です。パンデミックが起きたがために、オフィスの変化はずっと広範囲に及んでいるだけでなく、加速度的に進んでいるのです」