危機が与える影響をリアルタイムで計測
コミュニケーションのないチーム、市場の混乱、原因不明の行き詰まり、燃え尽きる社員たち、失われた効率性──。これらは、企業が感づいてはいるものの、なかなか明確にとらえることのできない課題である。私たちはデータサイエンティスト、経営コンサルタント、エンジニアから成るマイクロソフトのチームの一員として、企業がこの種の課題を行動データを活用して計測、解決できるように支援している。
4カ月前、他の多くの企業と同じく、マイクロソフトでも緊急かつ想定外のリモートワークへの移行が始まった。みんなが慌ててホームオフィスを準備し、自宅学習になった子どもの居場所をつくり、顧客からの電話やネコのいたずらに付き合い、そしていろいろな意味で仕事の仕方の見直しを迫られた。
と同時に、この状況が、仕事そのものについての学びを得るリアルタイムの貴重な機会であることも判明した。仕事はどこまで柔軟性や順応性を持てる(あるいは持てない)か、リモート環境でコラボレーションや人脈のネットワークはどう変化するか、別々の空間にいる時に俊敏性はどのような形を取るかといったことを、私たちは調査したいと考えた。そしておそらく最も重要なこととして、危機の時代に社員の幸せをどのように守り、発展させられるのかを知りたいと考えた。