自社の独立を維持するか、
エコシステムに参加すべきか
2020年は、テクノロジー業界も多くの変化と激動に見舞われた1年だった。その中でも、セールスフォース・ドットコムがスラック・テクノロジーズを277億ドルもの金額で買収するというニュースが12月になって飛び込んできたことは、多くの人を驚かせたに違いない。
顧客関係管理(CRM)の老舗企業であるセールスフォースは、いま人気のチャットアプリ企業であるスラックに何を期待したのか。2020年に目覚ましい成長を遂げてきたスラックは、なぜセールスフォースの傘下に入ろうと考えたのか。営業ツールとメール代わりのテクノロジーを組み合わせることにより、どれくらいの価値が生み出せるのか。
この買収のニュースに、当惑した人も多かった。報道後、セールスフォースの株価は8%以上下落している。