顧客基盤が最大の財産

編集部(以下色文字):御社は歴史的に、多くの企業と提携関係を結んできました(図表「会社設立や提携関係の推移」を参照)。提携戦略は、経済環境や会社の状況によって意図が違ってきます。まずは、御社の現状と経営戦略について伺わせてください。アニュアルレポートでは冒頭に、「2025年のありたい姿」として「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」というキャッチフレーズが登場します。具体的にはどこを目指しているのですか。

中村(以下略):まずお客様の笑顔をつくっていくこと、そして従業員、販売店の皆さん、取引先、株主など広義のステークホルダーの皆さんを笑顔にしたいという意味合いです。

 2017年に社名を富士重工業からSUBARU(スバル)に変える時に、2025年のありたい姿として「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」というビジョンを掲げました。以前から企業理念や行動規範はありましたが、目指すべき将来像として、シンプルで、社内の誰もが共感できる言葉が必要だと考え、そう決めました。