XiXinXing/Getty Images

仕事で困難な課題を解決したり、プレゼンテーションのスキルをほめられたりすれば、誰でも嬉しく思うだろう。ほめた相手が喜ぶのを見れば、自分も嬉しくなるはずだ。しかし、私たちは相手をほめることの大切さは理解していても、実際に行動に出ようとすると躊躇してしまう傾向があると、筆者らは指摘する。その背景には、称賛や感謝の表明に対する過小評価がある。そうした心理的障壁を打ち砕き、互いに支援し合うポジティブな組織文化を醸成するには何が必要かを論じる。


 企業は、従業員やマネジャーが互いに支援し合うポジティブな組織文化の構築に最優先で取り組むべきである。

 組織の士気を維持するうえで特に重要なのが、称賛と感謝の表明だ。人は感謝されると評価されたと感じ、ポジティブなフィードバックを受けるとストレスによる従業員のパフォーマンス低下が緩和されることが実証されている。神経科学者は、脳が承認の言葉を金銭的報酬と同じように処理することも示している。