
トップの座を引き継ぐ時には、前任者の功績のみならず、不備にも対処しなければならない。特に、能力が低かったり、物議を醸したりしたリーダーの後任を務める場合、それを是正することが新任リーダーとしての自分の役割だと考えがちだ。しかし、前任者の影響を理解せず、従業員の声に耳を傾けなければ、組織を前進させることはできない。本稿では、悪いリーダーの後を継ぐだけでなく、はるかに有能なリーダーになるために、3つの基本的戦略を正しく実践する方法を伝授する。
トップの役割を引き継ぐリーダーは、誰もが同じ課題に直面する。前任者の功績と不備に対処しなければならないことだ。前任者が成功を収めた場合、その人物の業績と照らし合わせて判断される。
しかし、能力の低いリーダーや物議を醸すリーダーの後任を務める時は、前任者の過ちに対する責任を負うと同時に、組織のための新たなビジョンを構築しなければならないことがある。
能力の低いリーダーは、政府であろうがフォーチュン500企業であろうが、組織にダメージを与える可能性があり、新しいリーダーは細事にこだわって大事を逸することなく、企業を救うために積極的な行動を取らなければならないことが多い。さらに、これらをすべて、懐疑的で疲弊した組織の中で実行しなければならない。
こうした緊張状態に対処することは、経験豊富なリーダーにとっても難しい。筆者はエグゼクティブコーチおよびコンサルタントとして、過去20年以上にわたり、何十人ものリーダーがこうした移行期を乗り越える支援をしてきた。うまく対処するリーダーもいたが、誠心誠意取り組んでも苦悩するリーダーもいた。
いくつかの基本的戦略を実践することで、企業がお粗末なリーダーシップから立ち直るだけでなく、組織を変革し、組織内のすべての人々が潜在能力を発揮できるようにすることができる。