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リーダーのEQは諸刃の剣
好むと好まざるとにかかわらず、リーダーたる者は社内のムードを管理しなければならない。特に資質に富んだリーダーは、「EQ」(心の知能指数)と呼ばれる多面的な能力を上手に組み合わせて使いこなしている。
実際、優れたリーダーは、自己認識力と共感力を兼ね備えている。つまり、自分の感情を意識的にコントロールすると同時に、周囲の感情を直感的に理解し、組織全体のムードを正確に測ることができる。
では、EQはいったいどこから生まれてくるのか。また、リーダーはどのようにその使い方を学べばよいのか。
EQの要素には、先天的なものと後天的なものがあることは、経営書を読めば、いや常識からでも、すぐにわかる。EQは、まず遺伝的素質によって、それから人生経験によって、さらには昔ながらのトレーニングによって形成される。もちろん、その幅は人によってまちまちであり、レベルも異なる。
善意の下、EQを賢く使いこなせば、リーダーも部下も、そして組織全体もその業績が高まっていく。逆に悪意を持って、あるいはいたずらに振り回したりしようものなら、みずからの首を締め、我欲のために部下を操る手段に堕することもある。
本誌では、各界の識者、経営者はもちろん、リーダーシップ研究家、心理学者、神経学者、カルト研究家、交響楽団の指揮者など18人に、EQの性質と利用法、つまりその源泉や、善用と悪用の例に関する見解を聞いた。
その内容は十人十色であったが、共通のテーマがいくつか浮き彫りになった。常に意識して誠実にスキルを磨く必要性、自己認識が内包する二面性、そして1種類のスキルに頼りすぎることの危険性などである。
My Opinion 1|Be Realistic
EQにまつわる誤解
ジョン D. メイヤー(John D. Mayer)
ニューハンプシャー大学 教授