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会社としては努力を尽くしているつもりでも、労働条件や職場環境の設計を間違えると、従業員の健康やウェルビーイングを大きく損なう可能性がある。その状況を積極的に改善することは、従業員だけでなく、自社にとっても有益な結果を得られることが多い。本稿では、従業員の健康やウェルビーイングを向上させる7つの方法を紹介する。


 あなたの会社は、自分たちはよい雇用主であると自負しているかもしれない。しかし、最善の努力をしていても、仕事の組み立て方によっては、従業員の健康やウェルビーイングを損なっている可能性がある。

 労働条件や職場環境から生じる負担は、多くの米国人にとってストレスの重大な原因だ。仕事の設計の仕方が従業員のウェルビーイングや健康、そして医療費に大きな影響を与えることが研究で明らかになっている。

 マネジャーにとっての朗報は、仕事を再設計してウェルビーイングをサポートし、組織に長期的な利益をもたらす実現可能な方法があることだ。たとえば、最近の研究では、職場環境を戦略的に変えることで、従業員の健康状態が改善するだけでなく、職務遂行能力の向上生産性の向上など)や、従業員のバーンアウト(燃え尽き)の減少など、ビジネスに有益な結果が得られることが示唆されている。

 従業員のウェルビーイング向上のために仕事を再設計することは、必ずしも多大なコストを伴うわけではない。むしろ、よい投資になることも多い。たとえば、あるフォーチュン500企業のIT部門における仕事の再設計の取り組みでは、離職に伴うコストを削減することができ、会社にプラスの投資利益率(ROI)をもたらした。さらに、こうした戦略は組織全体のレジリエンス(再起力)を向上させる可能性もある。

 筆者らはロバート・ウッド・ジョンソン財団の支援を受け、従業員のウェルビーイングに影響を与える労働条件の研究を再調査し、統合した。そうして開発したのが「健康のためのワークデザイン」のフレームワークとツールキットだ。これを活用することで雇用主は、従業員の健康と組織の双方に利益をもたらすように、仕事の方法を改善することができる。

 以下の7つのアプローチの採用を検討することから始めてほしい。