
チームのメンバーに当事者意識をもたらし、自由な発想をうながすために、自律的な判断を推奨する企業が増えている。ただし、自律性(オートノミー)に委ねることが、常にパフォーマンスの向上につながるとは限らない。むしろチームの自律性に完全に任せてしまうと、自信過剰に陥り、誤った意思決定が下させる可能性があると、筆者らは指摘する。
自律性(オートノミー)にどこまで委ねると、任せすぎになるのだろうか。業務の割り振りを厳格に管理している企業がある一方、最近は、どのような仕事を、誰と組んで進めるかを決める際に、従業員の裁量を拡大するアプローチが支持を広げつつある。
スポティファイ、ギットハブ、そしてグーグルといった企業は、どのプロジェクトに誰と取り組むかについて、社員自身が選択できる方針を公式に打ち出している。より高い次元の当事者意識と創造性を刺激することで、これまで以上に良質で革新的な発想を生み出そうという戦略だ。
このような説明は、直感的には納得がいくかもしれない。しかし、筆者らの最近の研究からは、自律性を重視しすぎるリスクも浮かび上がってきた。