HBR編集部が選ぶ、マネジャーが不確実性を乗り越えるための10の論考ハイブリッドワーク、大退職時代、バーンアウト……

ハイパフォーマンスチームに必要なのは社会的つながり

　リーダーは誰しも、ハイパフォーマンスチームをつくる要因は何かを知りたいと思っている。しかし、見過ごされがちなのが、社会的つながりの重要性だ。あなたがチームを活性化させようとしているのなら、研究に裏付けられた、人と人とのつながりを促進する方法を紹介しよう。

・仕事以外の話題で絆を深める：最高のチームは、常に仕事ばかりしているから優れているのではない。スポーツや本、家族など、仕事とは関係ない話をすることで共通の関心事が明らかになり、真のつながりを築くことができる。それにより親密な友情やよりよいチームワークが生まれる。

・感謝を伝えることが当たり前の文化をつくる：評価は概して、金銭的インセンティブよりも強力な原動力になる。また、優れた仕事に対する評価は、トップダウンで行われるべきではない。同僚が互いに感謝の気持ちを表すことが当たり前になるようにしよう。

・自分らしさを重視する：従業員がポジティブ感情もネガティブ感情も率直に表現し、チームメイトを褒めたり、冗談を交わしたりすることができる環境をつくることが重要だ。

邦訳：ロン・フリードマン「ハイパフォーマンスチームを構成する5つの要因」

リモート勤務で新入社員を迎える方法

　新入社員を迎え入れる時は、彼らの気分を楽にし、これから始まる仕事に熱意を持ってもらえることを目指すものだ。しかし、あなたやチームの他のメンバーとの交流がバーチャルによるものだけの場合は、どうすればよいのか。以下がそのヒントだ。

1. 素早いスタートを切る：勤務開始日までにテクノロジー面の準備を整え、初日から誰に質問すればいいかを伝える。専任のオンボーディング担当を配置し、新入社員がさまざまな質問を尋ねることができるようにする。

2. 職場での強固な人間関係を促進する：オフィスで自然発生的に人間関係が築かれることは期待できないため、新入社員と既存の社員が1対1で交流する、公式・非公式の機会を積極的かつ意識的に設ける。また、早い時期に他部署の従業員を紹介することも忘れないようにしよう。

3. 企業文化と自社での仕事のやり方を理解させる：堅苦しさの度合い、ドレスコード、ビデオ会議でのエチケット、メッセージをやり取りする際の作法、業務の時間など、暗黙のルールを明確にする。新入社員がこの種のことで迷う必要がなければ、ストレスははるかに少なくなる。

邦訳：ジェームズ M. シトリン、ダーリーン・デローザ「新入社員がリモート勤務の初日から活躍できるように、企業はどう支援すべきか」

答えではなく質問で導く

　たいていのリーダーはあらゆる物事に答えを持つことを重視し、的確な質問をすることを重視していないだろう。いまこそ、それを考え直す時だ。弱みを見せて、支援や説明、意見を求めることは、弱さではなく強さと自信の表れだ。的確な質問は相手を信頼しているというサインであり、その見返りとして相手の信頼を得ることができる。

　たとえば、あなたが見つけた新しい機会をチームに伝えるのではなく、「これまでに提供してきた以上に大きな価値を創出できるような、大変化をもたらす機会は何だろうか」と尋ねる。このように重要でシンプルな質問により、組織全体のコラボレーションと創造性が活発になる。

　そして、質問を最初にするという考え方を一貫して示すことで、好奇心と学習の文化を組織全体で確立することができ、チームが効果的にイノベーションを起こし、課題に対応できるようになる。早速、今週から試してみよう。チームに大局的でオープンな質問をして、新しく、刺激的なアイデアにつながるかどうか確かめてほしい。

邦訳：ジョン・ヘーゲル3世「優れたリーダーシップとは的確な質問をすることである」