Kei Uesugi/Getty Images

リモート環境で新しい社員を迎えるのは、簡単なことではない。オフィスで雑談を交わしたり、ランチタイムに交流を深めたりする機会は完全に失われた。仕事のやり方も企業文化も、もはや時間が経てば自然と理解できるものではなく、企業はバーチャルを前提としたオンボーディング・プログラムを確立する必要がある。本稿では、新入社員が勤務初日から居心地よく働き、仕事に全力投球できるように、企業が提供すべき4つのサポートを紹介する。


 大半のマネジャーが気づいているように、新入社員のオンボーディングをバーチャルで行うことは非常に難しい。しかも、お粗末なオンボーディングしかできなければ、長い目で見て大きなダメージが生じかねない。

 新しい社員のオンボーディングは、専用のコンピュータを用意するなど、単なるロジスティクス上の課題ではない。オンボーディングのより重要な要素としては、たとえば以下のようなものを挙げることができる。

・素早いスタートを切り、新しい社員に快適な環境をつくり、自信を持たせる。一言で言えば、新しい職場で自分が歓迎されていると思えるようにする。
・職場での強固な人間関係の土台を築く。
・新しい社員に企業文化と自社での仕事のやり方を理解させる。
・期待される役割を明確にし、一人ひとりの仕事と会社全体のミッション、ビジョン、ゴールとの関わりを意識させる。

 他の企業との違いを生み出すようなオンボーディング体験を意識的に構築するうえで最も大きな障害になるのは、人々の固定観念である場合が多い。

 かつてテレビが登場した時、ある程度の時間を経て、この新しいメディアを有効に活用する(そして、ラジオ番組をカメラで撮影しただけの初期のテレビ番組よりも質の高い番組をつくる)方法が見出された。それと同じように、今日の企業は、新しい時代とテクノロジーに適合したオンボーディング・プログラムを確立する必要がある。

 小規模な会社では、新しい社員を一人ずつ職場に迎える場合が多いだろう。一方、大規模な会社では、大勢の新入社員がいっせいにオンボーディングのプロセスを経験することが多いかもしれない。いずれのパターンでも、オンボーディング・プログラムを成功させるうえでは、以下に挙げる4つのアドバイスが役に立つかもしれない。