制度の適切な導入が肝要
週4日勤務制を試験的に導入すると発表する組織が相次いでいる。2021年6月には、クラウドファンディングのキックスターターも新たにその仲間入りを果たした。同社従業員は週当たり40時間ではなく32時間勤務となる一方で、従来と同レベルの生産性を上げて同じ賃金を得ると見られている。
メディアでも、週4日勤務制の効果に関する最近の調査は大々的に報じられている。たしかに勤務時間を短縮すると、従業員のストレスが軽減され、ウェルビーイングが向上するばかりか、生産性を損なうこともないということが調査で示されている。ただし、それは適切に導入した場合に限られる。
では、適切に導入するとはどういうことなのか。筆者の一人(ウィランズ)は時間、お金、幸福を中心テーマとする研究者であり、もう一人(ロックハート)は週4日勤務制や将来の働き方に関する研究を資金援助する世界的な非営利団体のCEOである。筆者らは、勤務時間の短縮を計画し導入する組織を後押しするため、6つのステップから成るガイドを策定した。本稿で想定しているのはオフィス勤務が多い知識労働だが、筆者らの提案は、勤務時間の調整が可能な企業なら、どんな企業にも活用できるはずだ。