変化の兆しをいち早くとらえ
組織に変革を促す
市場の変化の始まりを察知したリーダーたちが、自社の組織変革を目指す時、彼らはあるジレンマに直面する。一方では、変革の必要性を訴えるために、説得力あるデータが必要である。このままいけば、自社が「燃え盛る(バーニング)プラットフォーム」上に乗ろうとしていることを示さなければならない。他方では、破壊的トレンドや市場の変化に関する説得力ある公的データが揃う頃には、絶好の機会は消失しないまでも縮小してしまっている。
そして、自社が実際にバーニングプラットフォーム上にある場合には、リーダーたちは厳しい現実に対峙することになる。柔軟性が不可欠となるまさにその時に、硬直性が高まり、変革が妨げられるからだ。バーニングプラットフォームには、絶対に乗ってはならない。これが大原則である。しかしそのためには、確たるデータが広く入手可能となる前に、リーダーは行動を起こす必要がある。
世界的なローファーム、金杜法律事務所(KWM)のオーストラリア法人を率いるバークレー・コックスとミシェル・マホーニー、その他のリーダーシップチームは、数年前にまさにこの問題に直面した。彼らは自社の法律業務を根本から変革する必要性を認識し始めていたが、説得力あるデータはまだ不足していた。筆者ら3人は、KWMオーストラリアと協力して、我々が「私的データ」と呼ぶものを生成・解析した。私的データとは、水面下で起こりつつある業界の変化を明確化する、独自のインサイトである。