脱炭素と電動化の波に
パートナーと組み全方位で立ち向かう

編集部(以下色文字):製造業はいま大きな変化に見舞われています。たとえば、電気自動車の普及や自動運転技術が自動車産業そのものの構造を変えようとしています。建設機械の世界では電動化、自動運転化の影響はどのように出ているのでしょうか。

小川(以下略):まず、自動運転についてお話しします。コマツは2008年に鉱山機械における無人ダンプトラック運行システム(AHS)を市場導入し、現在約500台弱のダンプトラックが世界の鉱山で稼働しています。これは自動車の自動運転で言うとレベル4に当たり、すでに鉱山現場では無人ダンプトラックによる自動運転が実現している状況です。

 一方、建設機械においては自動化に向けて研究開発を進めている段階です。たとえば、秋田県で施工中の成瀬ダム堤体打設工事には、鹿島建設が開発した自動運転を核とした次世代の建設生産システム「A4CSEL」(クワッドアクセル)が導入されており、コマツの自動化対応のブルドーザーとダンプトラックが使用されています。私も現地の様子を見学しました。実用化に向けて着実に進んでいくと考えています。