危機下に留まらない

 女性は危機的な状況下でのリーダーシップに長けている。そのように語られることが多い。まるで女性のリーダーシップの資質が発揮されるのは一時的であり、また消えてしまうかのようだ。

 この2年間の異常事態は、リーダーとしての女性の強みに再び光を当てたが、これは一時の出来事ではない。実際、私たちは皆、女性の下で働くと仕事を楽しめるようになり、より高いパフォーマンスを発揮することができる。筆者らの調査は、この事実をすでに立証した多くの重要な研究(ジャック・ゼンガーとジョセフ・フォークマンの研究など)を裏付けるものだ。

 筆者らの調査では、主要なビジネスの成果と、従業員とリーダーの性別による違いについて調べた。以下は、その結果である。

 ジョブエンゲージメントやパフォーマンスなど数多くの指標で、最も悪い結果は男性が男性を率いた時、最も良い結果は女性が女性あるいは男性を率いた時に得られた。

 このようなデータは、誰がリーダーの地位に就き、リーダーをどのように育成しているのかに疑問を呈する。これらの結果を財務的なインパクトに置き換えると、行動を起こす必要性はますます高まる。

 筆者らは調査対象者のうち、仕事に対して意欲を持とうとしない回答者に注目した。言い換えれば、悲惨な職場体験をし、その不幸を同僚に広めている回答者だ。男性リーダーの部下は18%が意欲を持とうとしないのに対し、女性リーダーの部下は11%に留まった。

 ギャラップの調査によると、エンゲージメントの低い従業員は、生産性の低下により、給与1万ドルに対して3400ドルの損失を企業にもたらしている。一方、女性リーダーは従業員のエンゲージメントを高めることで、従業員1000人あたり143万ドルのコスト削減をしている(平均給与を6万ドルと仮定)。

 さらに、エンゲージメントの低い従業員を入れ替える必要がないため、その従業員の年俸の2分の1~2倍、つまり従業員1人あたり3万~12万ドルの節約になる。