アマゾンでの販売をめぐり
企業はジレンマを抱えている

 コルク素材と本革を用いたビルケンシュトックのサンダルを履く人々といえば、おおらかさに定評があり、けんかをふっかけてくるタイプの人はほとんどいない。ところがここ数年、ドイツに本拠を置く同社の経営幹部は、ことアマゾン・ドットコムの話になると冷静ではいられなかった。

 ビルケンシュトック・アメリカズは長年、アマゾンとパートナーシップを築いてきた。しかし、独立系の小売業者であるサードパーティセラーによる模倣品の販売数が多すぎるため、2017年に同サイトでの販売停止を発表した。

 ビルケンシュトックから見ると、アマゾンの模倣品対策は十分ではない。同社は声明文の中で、アマゾンのプラットフォームは「当社のブランドを傷付けるような、許容しがたい商慣行を体験する環境だ」とし、「自社内の取り組みやアマゾンとの提携を通じて、この活動を取り締まるのは不可能なことが明らかになった」と述べている。