アマゾンに対抗する3つの原則

 2020年2月末、ワークマンは大手インターネット通販サイト「楽天市場」から撤退した。その当時、楽天が始めようとしていた出店者負担による送料無料化への反旗かと騒がれたが、実際はそうではなかった。

 では、なぜ撤退したのか。それは、もともと楽天市場に参入した目的が、大手プラットフォーマーのメカニズムとその強さを知ることにあり、時期が来れば撤退すると決めていたからだ。

 ワークマンのような小売企業にとって、いまや最大の敵はアマゾン・ドットコムだと言っていい。アマゾンはすでに巨大なアパレル小売企業であり、その直販は脅威である。アマゾンに勝つことはできないが、少なくとも負けない戦略を考えなければならない。とはいえ、eコマースの知見があったわけではない。そこで比較的、手軽に出店できる楽天市場のネット通販を2014年にスタートしていた。