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リーダーの仕事は人間的で社会的
リーダーシップの分析を試みても、なかなかうまくいかないのは、分析者が分析すべきことを勘違いしているからである。
たいていの場合、分析者はリーダーシップを研究した経験など、まったくない。そして、人気、権力、演技、長期的な計画性などを研究している。これらを備えたリーダーもいないわけではないが、およそリーダーシップの本質とはいえない。
リーダーシップとは、部下の目指すべき方向を定めることで、何らかの目標を達成することにほかならない。部下を正しく導き、特定の目標を達成できる人物こそリーダーである。偉大なリーダーとは、日々歳々、さまざまな状況の下でこれをなしうる人を意味している。
偉大なリーダーは必ずしも権力を備えていたり、それを誇示したりするわけではない。また、強制や脅しといった行動に訴えることのない人もいる。人気者であるとも限らない。さらに、部下たちがリーダーの思いどおりに動くのも、リーダーへの好意や尊敬の念からではない場合もある。
華のある人物とも言い切れない。グループの目標を演出したり、自分の指導力に注目を集めるためにイメージを操作したりすることもない。
目標を設定するという重要課題についても、実はほとんど影響力を及ぼさず、しかもそのスキルさえ有していない場合もあり、単にリーダーとして、他人の計画を実行しているにすぎないケースもある。
偉大なリーダーにしかできない仕事は人間的であり、また社会的なものである。それは、部下を理解し、部下の個人的目標と遂行すべきグループの目標との関係を理解してこそ、初めて可能になる。
軍隊流リーダーシップという錯覚
成功するリーダーは優れた人材である。そう至らしめる行動について簡潔に言い表すことは難しくない。とはいえ、決定的な成功要因を引き出すのは難しい。