3. 投資家は、企業のパーパスとアクションを見て決定を下す
ESG投資の中核的戦略の一つは、リスクの軽減だ。ESGに関連する問題は深刻であり、企業の財務や評判にダメージを与えるおそれがある。とりわけ市場が不安定な時は、企業の経営層がこのような社会的リスクをきちんと追跡・管理しているのか、投資家は知りたがる。メリルリンチ(バンク・オブ・アメリカ)は2022年3月、
4. あなたの会社の評判は、パーパスや行動と本質的に結びついている
エデルマン・トラストバロメーターによると、企業に対する信頼度は低下している。たった1回の不適切な選択で、その企業に対する認識は嫌悪感に変わってしまう。景気後退期には、地域社会のニーズ(住居や食べ物や教育といった基本的なニーズを含む)が、これまで以上に大きくなる。金銭的な投資や、従業員のボランティア活動、商品の寄付、
物事が快適でなくなった時、それが「なぜそうなったのか」と考えることは、これまで通り必要であり、そしてこれまで以上に重要になる。では、どこから始めればよいのか。
それは、ゴールから始めることだ。つまり自社の社会的インパクトへのコミットメントをあらためて強調し、貫くことである。
リーダーとしてコミットメントを守り、自社の評判を維持し、そのインパクトについて透明性を持ってフォローアップするには何が必要かを理解しよう。そのうえで、長期的な社会的投資を通じて、自社の社会的責任担当部門とリーダーをサポートしよう。リーディングカンパニーは、税引き前利益の1%を社会に投資する。最上位4分の1の企業になると2.3%だ。あなたの会社は何%だろうか。
システミックな変化を起こすためには、企業や社会がどこに向かっているのかについて、長期的な視点を持つ必要がある。企業リーダーが非白人コミュニティーにコミットして、自社のCSRチームに投資し、パーパスコミットメントに従業員を取り込む有意義な方法を提供すれば、引き続き、最も困難な社会問題に対処する機運を高め、有意義かつ恒久的な変化を牽引できるだろう。
企業は、地域社会の重要な一員としての立場を確立してきたし、最も成功している企業は、社会的イノベーションを事業戦略に取り入れてきた。それなのにいま、社会投資や従業員のボランティア活動といった企業市民戦略を縮小してしまったら、不況が終わった時、企業も社会全体も、いまより深刻な問題を抱えているだろう。
取るべき行動は明らかだ。経費節減という近視眼的な戦略に陥ってはいけない。企業としてのパーパスコミットメントを強化し、ステークホルダーと手を携えて、長期的な成功に向け取り組み、忍び寄る不況から抜け出そう。
"2023 Will Test Companies' Commitment to Social Responsibility," HBR.org, December 19, 2022.