顧客に対する見方を見直すべきである

 コーヒーを買う、ウーバーを利用する、食事の宅配を頼む、レストランで食事をする、電話で技術サポートを受ける、オンラインチャットを使って商品を返品するなど、顧客は日々、サービス担当の従業員とやり取りを行っている。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって以来、このようなやり取りに関する報告[注1]によると、サービス担当の従業員に対する思いやりや忍耐が低下し、無礼な振る舞い(非礼な言動、指示に従わない行為、暴行、脅迫を含む言語的攻撃、あきれた表情をするなどの受動的攻撃)が増えている。

 消費者向けビジネスは長い間、「お客様は常に正しい」という行動原則に従って運営されてきた。しかし、現在の環境においても、この原則は正しいといえるのだろうか。また、顧客の従業員に対する振る舞いの改善に向けて、雇用主はどのような責任を負っているのだろうか。