
Roger Wright/Getty Images
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サマリー:今日においてほとんどの企業は最適化を志向している。しかし、現在のビジネス環境で戦略的に優位性を築くには、スピーディな対応が欠かせない。そうでなければ、時代の変化に対応できないからだ。前者のような安定と... もっと見る予測可能性を前提とした「最適化型企業」ではなく、スピードを持って繰り返し事業を生み出せる「再生型企業」になるには、何が重要か。本稿では、再生型企業の成功のカギとなる4つの要素を紹介する。 閉じる
スピーディな動きは戦略的優位性の構成要素
「俺たちにはもっと......スピードが必要なんだ」
これは、映画『トップガン』の中の有名なせりふだが、今日のCEOのスローガンにもなりうる。どのCEOも、顧客の期待からビジネスコンセプト、社会的トレンドまで、あらゆるものの変化の速さについていけず、企業価値を最大化できずにいる。
モバイル技術やソーシャルテクノロジーをはじめとする技術革新などによって、いまや人々の考えは電光石火の速さで世界中に伝播している。スピーディに対応できない企業は、ますます取り残されるリスクにさらされている。新しいニーズに対応する商品を素早く市場に投入できない企業は特にそうである。顧客と収益が通り過ぎるのを黙って見送るしかない。
しかし、収益や市場シェアを生み出すチャンスを積極的に活かすことに限らず、スピードは不可欠だ。ビジネスに悪影響を及ぼしかねない事態に早期に対応し、潜在的なダメージを最小限に抑えるという「防衛」にも、スピードは同様に欠かせないのである。
スピードは、いまや真の戦略的優位性の一つとなった。そしてそれは、今日の企業が懸命に構築しようとしているレジリエンスの重要な原動力でもある。
スピードの2つの側面
スピードについて語る時、筆者は、企業がどれだけ速く動けるかを左右する以下の2つの重要な側面に着目する。