パーパスと利益を両立できる企業の4つの共通点
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サマリー:パーパス主導の経営戦略を成功させるには、売上げと純利益の成長も実現する必要がある。では、どうすればこれらの目標を達成できるのか。筆者らが研究を行ったところ、パーパスの実現と利益という両方の目標を達成し... もっと見るた企業は、アドボカシー(支援者・擁護者)主導のビジネスモデルを採用していることがわかった。本稿では、アドボカシーモデルに重要な4つの要素を解説する。 閉じる

パーパスと利益を両立させる企業の共通点

 パーパス主導の経営戦略は、複数のステークホルダーとの関係を重視し、社会にとってより高次的な問題を解決しようとするものだ。こうした戦略を成功させるには、売上げと純利益の成長も実現する必要がある。問題は、どうすればこの両方の目標を達成できるか、だ。

 それを明らかにするため、筆者らは好業績を目指しつつ、複数のステークホルダーに影響を与えるために経営方針を見直した12社のパーパスの実践状況について詳細な研究を行った。各社はそれぞれ業界特有の経営戦略を取っていたが、共通のテーマが一つ見つかった。それは、パーパスの実現と利益という2つの目標を達成した企業は、アドボカシー(支援者・擁護者)主導のビジネスモデルを採用していたことだ。

 このアドボカシーモデルは、いくつかのステークホルダーに焦点を当てる。企業は、自社の商品や能力を活用して、みずからのパーパスに一致した方法で、ステークホルダーが直面する重要な社会経済的問題や環境問題に対処する。その結果、企業が具体的な進捗を示すことができると、該当するステークホルダーはその企業の擁護者に変身し、それがビジネス面で好ましい結果をもたらすのだ。