企業と従業員のパーパスが調和する職場を育む方法
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サマリー:「パーパスの調和」、つまり企業と個々の従業員のパーパスを一致させることは、組織の成功にとって不可欠だ。企業は、理念を従業員に押しつけるのではなく、個人と組織の目的が調和して共存する環境を育むべきである... もっと見る。本稿では、この調和を促進させるために、組織が行うべき取り組み4つを紹介する 閉じる

従業員と会社のパーパスの調和は、双方の力を強くする

 企業だけでなく、個人にとってもパーパスは重要な基礎を成す。グーグルやシェブロンなどの大手企業の多くは、会社のパーパスの重要性を強調するために、そのミッションを大きく掲げてきたが、従業員一人ひとりのパーパスは過小評価されがちだ。

 企業にとって重要なのは、企業と従業員のパーパスのギャップを縮めて、筆者らが「パーパスの調和」と呼ぶものを実現することである。だが、親が子どもに野菜を無理やり食べさせるように、企業のパーパスを従業員に押しつけるべきではない。そのようなことをすれば、強いられた均質性が生まれ、「集団思考」が蔓延し、イノベーションや多様性が制限されかねない。そうではなく、パーパスの調和とは、従業員のパーパスと会社のパーパスが共存し、しばしば互いに補強し合うような職場環境をつくることを意味する。

 パーパスを調和させるために、従業員が会社のパーパスを自分のものとすることが許されるべきだ。つまり、会社のパーパスを自分の日常的なタスクにどのように織り込み、自分自身のパーパスとどのように統合するかについて発言権を持つべきである。同時に従業員が会社の大きなパーパスに妨げられることなく、自分自身のパーパスの追求が支持されていると感じられることが重要である。