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営業担当者は顧客を十分に理解していない
先進的なセールスリーダーは、AI(人工知能)や機械学習を活用して営業組織の効率を高めている。レベニューオペレーション(収益増加)やイネーブルメント(営業組織強化)を担うチームは、CRM(顧客関係管理)などのシステムに格納された構造化データのモデルをファインチューニングしてきた。パターン認識の方法や新たな営業手法、予測の精度向上、あるいは営業報酬の変更に関する提案や商品が、さまざまなベンダーから出されている。
しかし最近の生成AIによる技術革新は、ほとんどの営業担当者が理解していない営業という仕事の核心部分に変革をもたらし、営業担当者に直接価値をもたらす可能性がある。核心とはつまり、氾濫する情報にじゃまされることなく、顧客に適切な訴えかけを行うことである。
最近の調査で、「営業担当者のメッセージは、私の会社が直面している課題に対応している」という記述に「そう思う」と回答したのは、購買担当者のわずか13%だった。同じ調査で「営業担当者は、私の社内での役割を理解している」という記述に、「そう思う」と回答した購買担当者もわずか25%だった。
営業担当者が購買担当者の役割やビジネス、市場に理解を示さないことによって、営業の効果が損ねられているのは明らかだ。購買担当者は自社にとって適切だと感じられない売り込みにうんざりしている、というデータがあるだけではない(調査によれば、この種の売り込みに対する反応率は1%以下と推定される)。
たとえ顧客が時間を割いたとしても、顧客にとって不適切で心に響かない営業アプローチでは、成約の可能性は限りなく低くなる。筆者らが最近ヒアリングをしたセールスリーダーたちは、研修やメッセージングなどの営業支援に何年も投資しているにもかかわらず、成約率は相変わらず20%から25%の間を推移していると語った。