
Richard Morrell/Getty Images
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サマリー:職場において差別や敵対的な出来事の標的になると、それを報告することへの負担感に向き合わなければならなくなる。状況や出来事を一度、報告すれば安心できると思う人が多いかもしれないが、けっしてそうではない。... もっと見るこうした「有害な出来事」に伴う影響は、長期にわたるからだ。本稿では、そうした影響を4段階に分け、各段階における困難な感情を解き明かしたうえで、経験者の人々がどのように乗り越えたかを紹介する。 閉じる
長期間にわたる有害な出来事の影響
職場で差別的または敵対的な出来事の標的になると、心理的安全性が揺らぐだけでなく、その状況にどう対処すればよいのかという重大な疑問が生じる。有害な同僚や上司との間で起きる出来事は、あなたの帰属意識に入った亀裂を浮き彫りにする時もある。「チームプレーヤー」として見られようとするために、自分が有する保護される権利を手放さなければならないというプレッシャーにさらされるかもしれない。
筆者は複数の調査プロジェクトと一連のフォーカスグループを通じて、仕事上の有害な出来事を報告することに対する負担感と向き合う400人以上のプロフェッショナルにインタビューし、サポートしてきた。彼らを見ていると、報告するかどうかという決断を下すだけで、どれほどの忍耐と強さが必要かということを痛感させられる。しかし、その過程に関連する負担はそれだけに留まらない。
状況や出来事を一度、報告すれば安心できる。多くの人はそう誤解しているが、何年も経ってなお、自分がその出来事の影響を感じ、その感情を処理していることに気づく。あるいは、しっかりと前を向くことが難しく、消耗したまま引きずり続けていることを思い悩む人もいる。