リンクトインCEOが語る、AI時代の人材マネジメント
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サマリー:AI(人工知能)は働き方を根本から変えている。従来の人材マネジメントは、もはや通用しなくなる。この変化に適応し、新たな戦略を採用することが事業を成功させるカギを握っている。リンクトインのCEOである筆者は... もっと見る、まず仕事を肩書きではなく、スキルとタスクの集合として再定義することから始めるべきだと主張する。 閉じる

従来の人材マネジメントは通用しなくなる

 ビジネスリーダーはこの数年、膨大な変化に対処してきた。あらゆる業界における雇用トレンドの変化、リモートワークやハイブリッドワークの手段の進化、転職者の数とタイプの変動、世代間の志向の変化などである。

 だが、AI(人工知能)はこれらとは比較にならないほどの劇的な変化をもたらし、産業と社会全体で私たちの働き方を根本的に再定義し始めている。

 世界中の人材を対象に経済的機会の創出に尽力するプラットフォーム、リンクトインのCEOを務める筆者が、最近の会話のほとんどで(相手がCEOの場合は特に)同じ質問を頻繁にされるのも当然だろう。「AIと仕事に何が起きているのですか。それは私にとって、何を意味するのですか」

 筆者の答えはこうだ。仕事の世界は急速に変化しており、従来の戦略、特に人材マネジメントに関するものは通用しなくなると認識することが何よりも重要だ。いまこそ変化に適応すべきである。この真実から目を背ければ、あなたの事業はほぼ確実に後れを取る。だが、この真実を受け入れて、3つの大きな変革に注力すれば、AI時代に事業を新たなレベルで成功させるための準備が整うだろう。

仕事を肩書きではなく、スキルとタスクの集合として再定義する

 今日の最も賢明な企業は、仕事を単なる肩書きではなく、スキルとタスクの集合として再定義し、それらがAIの発展に伴ってどう進化するのかを検討している。

 この考え方に馴染みがなくても、受け入れるのは簡単だ。自社のチームや従業員全体の仕事を、肩書きではなく、日々遂行されている主要なタスクに基づいて分類すればよい。